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十和田湖

(とわだこ)

神秘と自然が織りなす北の名湖

雄大な自然に抱かれたカルデラ湖

十和田湖は、青森県と秋田県の県境に位置し、十和田八幡平国立公園の中心をなす美しいカルデラ湖です。標高約400メートルの高地にあり、周囲約44キロメートル、面積61平方キロメートル、最大水深327メートルと、日本でも有数の深さを誇ります。

約20万年前から続いた十和田火山の噴火と陥没によって誕生したと考えられ火山活動によって誕生した湖は、二重式陥没カルデラという極めて珍しい成り立ちを持ち、地殻変動によって形成された断崖が湖を囲み、壮大な景観を生み出しています。自然・地質・歴史・信仰・観光のすべてが重なり合う、奥深い魅力に満ちた場所として知られています。

十和田湖の神秘と自然の魅力

湖面は、四季折々の空や森を映し出す鏡のような静けさを持ち、その美しさから「神秘の湖」とも呼ばれます。冬でも完全に凍結することは少なく、透明度の高い湖水が訪れる人々を魅了します。春には新緑が芽吹き、夏には深い緑に包まれ、秋には湖畔の山々が赤や黄色に染まり、紅葉の美しさは日本一とも称されます。冬は一面の銀世界となり、静寂に包まれた幻想的な風景を楽しむことができます。

湖上から楽しむ大パノラマ

湖では遊覧船が運航しており、水上から見る断崖や半島、青く澄んだ水面の美しさは格別です。また、展望台から眺める湖の風景も人気で、特に瞰湖台御鼻部山展望台からは、湖全体を見渡すことができます。空の青と湖の碧が一体となる景色は、まさに自然の芸術といえるでしょう。

十和田神社と水神信仰

湖畔の中山半島の付け根に位置する十和田神社は、古くから水神信仰の中心地として崇敬を集めてきました。平安時代初期、大同2年(807年)に坂上田村麻呂が創建したという伝承もあり、中世には修験者の修行の場として、江戸時代には南部藩の霊場として栄えました。

十和田湖には「三湖伝説」と呼ばれる神話が伝わっており、湖の主であった八郎太郎を追い払った南祖坊が龍神となり、青龍権現として湖に鎮まったとされています。この伝説により、十和田湖は北東北最大級の霊山として、多くの人々の信仰を集めてきました。

乙女の像 ― 高村光太郎の名作

湖畔の休屋地区には、詩人であり彫刻家の高村光太郎による「乙女の像」が建てられています。昭和28年に完成したこの像は、彼の妻・智恵子をモデルにしたとされ、夫婦の愛と絆を象徴する作品です。台座には智恵子の故郷である福島県産の黒御影石が使われており、訪れる人々の心に深い感動を与えています。

四季を彩る自然とアクティビティ

十和田湖は、季節ごとにさまざまな楽しみ方ができます。春から秋にかけてはカヌー遊覧船で湖上を巡り、風を感じながら自然と一体になる体験が可能です。冬にはスノーシュースノーランブラーを使って氷柱や氷瀑を鑑賞でき、幻想的な冬の景色を堪能できます。また、毎年7月の湖水まつりや、2月の十和田湖冬物語などのイベントも開催され、季節ごとに違った表情を見せてくれます。

西湖畔遊歩道と自然散策

十和田湖西湖畔には、約5キロメートルにわたる遊歩道が整備されており、湖畔の静かな自然を身近に感じながら散策が楽しめます。ブナやカツラの巨木、季節ごとに咲く山野草、そして湖面に映る山々の姿は、訪れる人々に深い安らぎを与えてくれます。

絶景を望む展望台

発荷峠展望台(はっかとうげ)

標高610メートルの高地にある発荷峠展望台は、十和田湖南側の玄関口として知られています。ここからは中山半島と御倉半島が重なり合う美しい湖面と、背後に連なる南八甲田の山々を望むことができます。駐車場やトイレも整備されており、気軽に立ち寄れるビュースポットです。なお、冬期(11月中旬~4月下旬)は閉鎖されるためご注意ください。

紫明亭展望台(しめいてい)

発荷峠から車で約3分の場所にある紫明亭展望台は、静寂の中でゆっくりと眺望を楽しめるスポットです。ここから見る十和田湖はハートの形に見えることから、「恋愛成就のパワースポット」としても人気があります。展望台には昭和2年に「日本八景」湖沼部門選定を記念して建立された石碑もあり、歴史と自然が調和した名所です。

十和田湖観光の中心「休屋・休平エリア」

十和田湖観光の拠点となっているのが、青森県側の休屋(やすみや)地区と、秋田県側の休平(やすみたい)地区です。このエリアには、遊覧船乗り場、バスターミナル、宿泊施設、飲食店、土産物店などが集まり、観光客で賑わいます。

また、湖畔温泉として青森・秋田両県にまたがる温泉が湧出しており、自然を眺めながらの湯浴みは、旅の疲れを癒してくれます。

湖上から楽しむ十和田湖 ― 遊覧船の魅力

十和田湖遊覧船は、湖上から十和田湖の魅力を満喫できる代表的な観光体験です。休屋を起点に御倉半島・中山半島を巡る周遊コースと、奥入瀬渓流の入口である子ノ口を結ぶコースがあり、湖面を渡る爽やかな風とともに、外輪山や原生林の景色を楽しむことができます。

二重カルデラ湖としての十和田湖の成り立ち

火山活動が生み出した壮大な地形

十和田湖は、十和田火山の大規模な噴火と陥没によって形成されたカルデラ湖です。約20万年前から約15万年前にかけて繰り返された火山活動により、現在の湖を取り巻く山地が形成され、さらに約3万5千年前から1万5千年前頃の巨大噴火によって陥没地形に水がたまり、湖が誕生しました。

湖を上空から眺めると、胡桃を半分に割ったような独特の形をしており、南岸には中山半島と御倉(おぐら)半島という二つの半島が突き出しています。この二つの半島に囲まれた水域が「中湖(なかのうみ)」で、ここに十和田湖の最深部が存在します。

三つの湖域が生む多彩な景観

十和田湖は地形の違いによって、西湖(にしのうみ)、中湖、東湖(ひがしのうみ)の三つの湖域に分けられています。西湖は比較的穏やかな湖岸が広がり、観光拠点が集まるエリアとして親しまれています。一方、中湖は急峻な外輪山に囲まれ、原始的で厳かな雰囲気が漂う水域です。東湖は奥入瀬渓流へと水を送り出す場所であり、湖と渓流を結ぶ重要な役割を担っています。

周辺観光と味覚の楽しみ

十和田湖の東側には有名な奥入瀬渓流が広がり、大小の滝や清流を眺めながらのハイキングが人気です。湖周辺では、ヒメマスワカサギなど、湖の恵みを生かした郷土料理を味わうことができます。地元産ワインとともに楽しむ食事は、旅の思い出をより豊かにしてくれるでしょう。また、近年は自然の中で体験する「十和田サウナ」も注目を集めています。

奥入瀬渓流と十和田湖を結ぶ水の物語

十和田湖から流れ出る唯一の河川が奥入瀬川です。湖の東岸から北東方向へと流れ出した奥入瀬川は、やがて約14キロメートルにわたる奥入瀬渓流となり、太平洋へと注ぎます。

奥入瀬渓流は、清流と数多くの滝、苔むした岩や原生林が織りなす日本有数の景勝地であり、十和田湖と一体となって1936年に十和田八幡平国立公園に指定されました。湖と渓流をあわせて巡ることで、十和田地域の自然の奥深さをより立体的に体感することができます。

まとめ ― 永遠に変わらぬ美しさを湛える湖

十和田湖は、火山の力によって生まれ、悠久の時を経て育まれた自然の宝石です。その深く静かな湖面には、四季の色と人々の思いが映し出されています。訪れるたびに新しい感動を与えてくれるこの湖は、まさに「北の神秘」と呼ぶにふさわしい存在です。ぜひ一度、その静けさと雄大さを体感し、自然と心が共鳴する瞬間を味わってみてください。

Information

名称
十和田湖
(とわだこ)
リンク
公式サイト
住所
青森県十和田市
電話番号
0176-75-2425
駐車場

あり

アクセス

【車でのアクセス】
・東北自動車道 小坂I.C.から休屋まで約40分/十和田I.C.から休屋まで約50分

【航空でのアクセス】
・青森空港 ⇒ 路線バス(青森駅行) ⇒ 青森駅 ⇒ JRバス(十和田湖行) ⇒ 子ノ口 ⇒ 十和田湖

【鉄道でのアクセス】
・八戸駅 ⇒ JRバス(十和田湖行き) ⇒ 焼山 ⇒ 子ノ口 ⇒ 十和田湖・東北新幹線(七戸十和田駅) ⇒ 十鉄バス(十和田市行) ⇒ 十和田市 ⇒ 十鉄バス(焼山行) ⇒ 焼山 ⇒ JRバス(十和田湖行) ⇒ 子ノ口 ⇒ 十和田湖

【焼山から休屋までのアクセス】
・焼山 ⇒ JRバス(十和田湖行) ⇒ 子ノ口 ⇒路線バスまたは十和田湖遊覧船 ⇒ 十和田湖(休屋)

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