湯ノ島は、陸奥湾の西部・青森湾に位置し、浅虫温泉の沖合に浮かぶ無人島です。全島が青森市に属し、古くから浅虫温泉の象徴として親しまれてきました。温泉街から海越しに望む島影は美しく、浅虫を代表する風景のひとつとなっています。
湯ノ島は浅虫温泉から北西約1キロメートル、最寄りの陸地からは約800メートル沖合にあり、ほぼ円形で直径は約400メートル、周囲は約1.5キロメートルです。海上からは釣鐘型やピラミッド型にも見える独特の姿をしています。島全体は石英安山岩からなり、西側の海岸には断崖が連なり、柱状節理が発達した迫力ある景観が広がります。
島の岩場には、「材木岩」「俵岩」「カブト岩」「鮫岩」など、名前の付いた奇岩が点在し、自然が生み出した造形美を間近に感じることができます。また、島内にはサクラやマツが繁り、樹齢400年を超えるケヤキの巨木も見られます。春にはカタクリやフクジュソウが咲き誇り、季節ごとに異なる表情を楽しめます。
「湯ノ島」という名は、島の近くの海中から温泉が湧き出していたことに由来すると伝えられています。江戸時代の記録には、島に弁財天を祀る弁天堂があったことが記され、現在も島には祠と赤い鳥居が残り、浅虫温泉側からその姿を望むことができます。そのため、湯ノ島は「弁天島」とも呼ばれてきました。
毎年春には「湯ノ島カタクリ祭り」が開催され、期間中は渡し船で上陸できる貴重な機会となります。ネイチャーガイドによる自然観察会も行われ、島の魅力をより深く知ることができます。また、夏季には遊覧船が運航され、湯ノ島や周辺の景勝地を海上から眺めることができます。
湯ノ島は、浅虫温泉やサンセットビーチあさむしと一体となって、青森湾沿岸の美しい景観を形づくっています。温泉街から眺める島影、夕陽に染まる海、そして四季折々の自然。湯ノ島は、浅虫を訪れた際にぜひ注目したい、自然と歴史が息づく存在です。