祭りを彩る三つの踊り
黒石よされは、廻り踊り・組踊り・流し踊りの三つの踊りから構成されています。それぞれに特徴があり、異なる魅力を楽しむことができます。
流し踊り
祭りのメインともいえる流し踊りでは、連日約2000人もの踊り子が黒石市内を踊り歩きます。ゆったりとした動きの中にも力強さや優雅さがあり、道一面を埋め尽くす踊り手の姿は圧巻です。「エッチャホー、エッチャホー」という陽気な掛け声とともに、街中に活気があふれます。
廻り踊り
時折登場する円を描く廻り踊りでは、踊り子と観客が一体となって祭りを盛り上げます。観客が自然と輪に加わる楽しさがあり、黒石よされの温かな雰囲気を象徴する時間でもあります。
組踊り
近郷近在から集まった踊り組によって披露される組踊りは、三味線、太鼓、唄がにぎやかに響き渡る本格的な津軽民謡の手踊りです。踊りの技術や衣装の美しさなど、見どころが多く、観客を魅了します。
現代へと続く伝統と創作
近年では、伝統の踊りに加えて新たな創作踊りも取り入れられ、以前にも増して活気に満ちた祭りへと発展しています。歴史と革新が調和し、多様な年代の人が楽しめるのが黒石よされの特徴です。藩政時代の風情が残る街並みを背景に、流麗な踊りと音楽が響き渡る様子は、訪れる人の心に深く残る魅力的な光景です。
よされ節とその歴史
黒石よされの背景には、東北地方に伝わる民謡「よされ節」があります。「よされ」という囃し言葉を含むこの民謡は、津軽三味線や太鼓によるにぎやかな曲調が特徴で、『津軽よされ節』『黒石よされ節』『南部よしゃれ節』など多くの種類があります。
よされ節の起源
よされ節は19世紀前半、西日本のはやり歌が東北地方に伝わったことで生まれたとされています。地域の風土や人々の生活と共に育まれ、さまざまな歌詞や形で現代まで受け継がれています。
「よされ」の意味
「よされ」にはいくつもの語源や意味が存在すると考えられており、もっとも有力な説として「世去れ」、すなわち貧困や凶作の世が去るように、という願いが込められているといわれます。また、「余が去る」「寄され」「夜さり(夜になるころ)」など、地域や歴史背景により多様な意味が重なり合っているともされています。