青森市の南に位置し、人口は4万人にも満たない黒石市。この小さな町で盛り上がりを見せているのが焼きそばだ。太くて平たい太平麺(ふとひらめん)を用いるのが特徴のご当地グルメ「黒石やきそば」。その歴史のはじまりは、終戦直後にまで遡る。もともとの黒石市はうどん文化が根強かったため、市内の製麺所では麺を切るカッターがうどん用しかなかった。このうどん用カッターで焼きそばの麺も作られたため、うどんのような太平の中華麺を使い、各店が独自のゆで方や蒸し方で売り出した。その後、店と製麺所の協力によって、ソースの絡みやすい焼きそば用の麺が開発されるなどして現在に至る。店舗ごとに独自の方法で作るというスタイルは今も変わらず、中華料理屋はもちろん、喫茶店やカフェでも食べることができる。いろいろ食べ歩いて、その味を比べてみてもらいたい。