鷹山宇一記念美術館は、七戸町出身の洋画家・鷹山宇一の作品と資料を中心に展示する美術館で、幻想的な画風で知られる鷹山宇一の魅力に触れることができます。油彩や木版、素描をはじめ、彼が収集した西洋オイルランプコレクションなども鑑賞でき、芸術と歴史が交わる豊かな空間となっています。
鷹山宇一は「現代日本の稀有な幻想画家」と称され、その独自の世界観は今なお多くの人々を魅了しています。美術館では、初期から晩年までの代表的な作品が展示され、画家としての歩みや創作の背景に触れることができます。
館内には絵画だけでなく、鷹山宇一が趣味として集めた装飾卓上ランプ、スペイン陶器なども展示されています。また、国指定重要有形民俗文化財である南部小絵馬や羽子板など、地域の庶民信仰に関する貴重な資料も常設されています。
併設されている絵馬展示館では、室町時代から伝わる七戸町ゆかりの絵馬や羽子板が展示されています。なかには日本最古とされる羽子板も含まれ、地域信仰の歴史を深く知ることができます。
かつての七戸見町観音堂や小田子不動堂に奉納された絵馬や祈願札などが収められており、その数は非常に豊富です。馬を左向きに見返り風に描いた「藤右衛門の小絵馬」に代表される作品群は、南部地方の信仰文化を物語る貴重な遺産です。
小絵馬の多くは、素朴な板に墨や丹、胡粉などで描かれ、江戸時代の生活や信仰が感じられる温かみのある作品ばかりです。奉納者は七戸周辺に集中し、農民や町人など幅広い層が祈りを込めて奉納したことがわかります。
美術館では常設展示に加え、年間を通して多彩な企画展や体験講座が開かれています。訪れるたびに新たな発見があるため、芸術や歴史に興味のある方におすすめのスポットです。