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酸ヶ湯 温泉

(すかゆ おんせん)

総ヒバ造りのヒバ千人風呂

酸ヶ湯温泉は、青森県青森市南部、八甲田山系の豊かな自然に抱かれた名湯として知られています。火山起源の温泉であり、湯のpHは2.0を下回るほど強い酸性を帯びています。その特徴的な泉質と歴史の深さから、1954年には四万温泉・日光湯元温泉と共に「国民保養温泉地第1号」に指定され、多くの湯治客や観光客に親しまれてきました。

酸ヶ湯温泉の泉質と効能

泉質は酸性泉・含鉄泉・硫黄泉を中心に、多様な成分を含む個性豊かなものです。源泉温度は48〜64度と高めで、湯治にも適した温泉として古くから利用されてきました。効能としては、神経痛・リューマチ・皮膚病・婦人病・胃病など幅広い症状への改善が期待され、健康を求めて訪れる方も数多くいます。

名物「ヒバ千人風呂」

酸ヶ湯温泉の代名詞ともいえるのが、総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」です。その広さはなんと160畳にも及び、天井まで約4〜5メートルの開放感あふれる空間が魅力です。柱が1本も存在しない大胆な構造は訪れる人に驚きを与え、ヒバの香りが広がる浴室はまるで別世界のような雰囲気を醸し出します。

四つの異なる源泉

浴場内には「熱の湯」「四分六分の湯」「冷の湯」「湯滝」など、源泉の異なる複数の湯があり、温度や泉質の違いを楽しめるのも魅力です。「熱の湯」は源泉そのままでややぬるめですが、体の芯まで温まると評判。一方、「四分六分の湯」は水を加えているものの、源泉自体が高温のためこちらのほうが熱いというユニークな特徴を持っています。

男女別の「玉の湯」

混浴に抵抗のある方や静かに入浴したい方には、男女別の小浴場「玉の湯」がおすすめです。こちらも白濁した酸性硫黄泉で、シャワー設備も整っているため快適に利用できます。女性専用時間帯が設けられているため、安心して入浴できるのも魅力です。

湯治文化と長期滞在

酸ヶ湯温泉は古くから湯治の場として親しまれています。その歴史は1684年(貞享元年)の開湯と伝えられ、山奥にもかかわらず多くの人が湯治目的で訪れました。現在でも宿泊施設のうち90室が湯治部であり、自炊や長期滞在にも対応しています。標高約900mの澄んだ空気と高地気候の作用が温泉の効果を高めるとされ、「3廻り10日の湯治で万病に効く」と伝えられてきました。

豪雪地帯ならではの自然と気候

酸ヶ湯は世界有数の豪雪地帯としても有名で、年間降雪量は1700cmを超えることがあります。2013年にはアメダス観測史上最高積雪512cmを記録し、冬季の厳しさを物語っています。その反面、夏は涼しく、真夏日になることはほとんどありません。心地よい気候は避暑地としても魅力的です。

周辺の観光スポット

八甲田山周辺は四季折々の自然が楽しめます。秋には奥入瀬渓流から続く紅葉が美しく、近隣には地熱を利用したまんじゅうふかしや、熱泉が湧き出る地獄沼などの名所も点在しています。また、東北大学植物園八甲田分園も近く、自然観察にも最適です。

アクセス

青森駅からJRバスで約1時間15分〜1時間40分。車の場合は青森中央ICから約40分とアクセスも比較的良好です。八甲田の山々を眺めながら訪れる旅路も魅力のひとつとなっています。

まとめ

酸ヶ湯温泉は、歴史・泉質・温泉文化・自然環境、どれを取っても一級の魅力を備えた日本を代表する温泉地です。強酸性の白濁湯が体を包み込み、広大なヒバ千人風呂が日常を忘れさせてくれるひとときを提供してくれます。八甲田の自然とともに、癒しの旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
酸ヶ湯 温泉
(すかゆ おんせん)

八甲田山(青森)

青森県