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大鰐温泉もやし

(おおわに おんせん)

湯治の町に伝わる幻の伝統野菜

大鰐温泉もやしは、青森県津軽地方の南端・大鰐町(おおわにまち)で育てられる、約350年の歴史を誇る伝統野菜です。大鰐町は、古くから津軽藩の奥座敷として栄えた由緒ある温泉郷で、その温泉の熱を利用してもやしを育てるという、全国的にも珍しい栽培方法が今なお受け継がれています。

温泉の恵みで育つ、独自の土耕栽培

一般的なもやしが水耕栽培で育てられるのに対し、大鰐温泉もやしは温泉熱で地温を高めた土耕栽培で栽培されます。使用される土は化学肥料や農薬を一切使わず、独自にブレンドされたもの。洗浄や仕上げに至るまですべて温泉水を使い、手間暇かけて育てられます。およそ7日間かけて丁寧に成長したもやしは、長さ30〜40cmにも達し、シャキシャキとした心地よい歯ごたえが特長です。

希少価値の高い「幻のもやし」

もやしは収穫後、昔ながらの手作業で“ワラ”に包まれて出荷されます。その味の良さと品質の高さから非常に人気が高く、出荷量のほとんどが地元で消費されるため、県外ではなかなかお目にかかれない“幻の冬野菜”とも呼ばれています。

二つの品種とおすすめの食べ方

大鰐温泉もやしには、地域在来の大豆「小八豆(こはちまめ)」から作られる豆もやしと、青森県在来の蕎麦「階上早生(はしかみわせ)」から作られるそばもやしの2種類があります。特に小八豆の豆もやしは大鰐温泉でしか生産されず、その独特の歯ごたえが魅力です。豆もやしはみそ汁や炒め物に、そばもやしはサラダやおひたしにすると美味しくいただけます。

旬の季節と味わい

大鰐温泉もやしの旬は、11月から翌年4月にかけて。厳しい寒さの中でも温泉熱を活かして育つもやしは、冬の食卓を彩る貴重な栄養源です。その優しい味わいと歯ごたえは、津軽の冬を象徴する味覚として今も多くの人に愛されています。

Information

名称
大鰐温泉もやし
(おおわに おんせん)

弘前

青森県