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平川ねぷた

(ひらかわ)

平川ねぷたは、青森県平川市で毎年8月2日・3日に開催される、津軽地方を代表する夏祭りのひとつです。堂々とした行進、迫力と余韻を残す囃子、そして豪華絢爛なねぷたが市内を練り歩き、訪れる人々を魅了します。約30団体が参加し、それぞれの特徴を活かしたねぷたが津軽の夏の夜を鮮やかに染め上げます。

勇壮可憐な行進と迫力の囃子

各団体ごとに異なる囃子や踊りの演出が見られるのも、平川ねぷたまつりの大きな魅力です。リズムに身を委ねると自然と体が弾むような、躍動感あふれるねぷた囃子は、観る人の心を高揚させてくれます。囃子には「ヤーヤドー」や「ヤーレヤーレヤーレヤ」など、地域ごとに違った掛け声が響き渡り、会場全体が一体となる盛り上がりを見せます。

世界一の扇ねぷたの圧倒的な存在感

平川ねぷたまつりのクライマックスを飾るのは、一般的なねぷたの約2倍の大きさである 「世界一の扇ねぷた」です。高さ12メートル、幅9.2メートル、重さ約6トンの巨大ねぷたは、美しい水墨画調で描かれた鏡絵と見送り絵が特徴で、道幅いっぱいに迫り来る迫力は圧巻そのもの。観客をも蹴散らすかのような雄大な姿は、多くの人が一度は見たいと言われるほどの人気を誇ります。

平川ねぷたまつりの概要

地域に根ざした歴史と発展

平川ねぷたまつりは、2006年に旧平賀町・尾上町・碇ヶ関村が合併し平川市となったことを契機に誕生しました。主に平賀ねぷたの伝統を受け継ぎつつ、尾上や碇ヶ関地域の団体も加わったことで、現在では約30台もの多彩なねぷたが運行される規模へと成長しています。弘前ねぷたに匹敵する大きさのねぷたが多いのも特徴で、広い道路がある平川市だからこそ描ける大迫力の絵が魅力です。

冬にも行われた特別なねぷた

2010年には市の合併5周年と東北新幹線全線開業を記念し、約10年ぶりに「冬ねぷた」も開催されました。雪が舞い、厳しい寒さが残る中でも2日間で約2万人が訪れ、平川ねぷたの人気と地域の熱意を改めて示すイベントとなりました。

ねぷたの特徴と魅力

囃子と踊りの多様性

団体によって使われる囃子はさまざまで、弘前ねぷたよりも速いテンポのものや、黒石ねぷたの囃子を取り入れる団体もあります。また、ねぷたの前を流し踊りが彩り、衣装や踊り方も各団体ならではの個性が光ります。

世界一の扇ねぷたの誕生

1998年に旧平賀町民の善意により完成した世界一の扇ねぷたは、高さ11m・幅9.2m・奥行き4m・重さ約3トンの巨大さを誇ります。軽快な踊りを披露する「花嵐桜組」が前を進み、祭りのフィナーレを華やかに盛り上げます。ねぷた絵は人の肌以外が水墨画調で描かれており、その迫力は青森ねぶたや五所川原立佞武多にも引けを取りません。平川市役所隣の常設展示場で年間を通して見学可能です。

ねぷた展示館(世界一の扇ねぷた展示館)

迫力満点のねぷたを間近で鑑賞

平川市にあるねぷた展示館では、高さ12m・幅9.2m・重さ約6トンの世界一の扇ねぷたを360度から鑑賞できます。通常のねぷたの約2倍もの大きさを誇るため、間近で見るとその迫力に圧倒されます。鏡絵や見送り絵は水墨画調で描かれ、他ではなかなかお目にかかれない美しい芸術作品としても楽しめます。

アクセスと館内の見どころ

弘南鉄道平賀駅から徒歩約10分、市役所の手前を右折すると展示館があります。入館料は無料です。館内にはねぷた囃子の音色が響き、臨場感あふれる雰囲気が広がります。階段をのぼると扇ねぷたを裏側から見ることもでき、その構造や細部の技術を間近に観察できます。また、各地区のねぷた団体の写真も展示されており、地域ごとの個性や歴史を知ることができます。

Information

名称
平川ねぷた
(ひらかわ)

弘前

青森県