青森県 > 青森市周辺 > あおもり北のまほろば歴史館

あおもり北のまほろば歴史館

(きた れきしかん)

あおもり北のまほろば歴史館は、青森市における歴史や民俗文化を総合的に紹介する展示施設として、平成27年(2015年)7月にオープンしました。ここでは、縄文土器や農具、漁具、生活用具から昭和の玩具や衣服まで、幅広い時代の資料が展示されており、青森の暮らしや文化を深く学ぶことができます。

「まほろば」とは古語で「素晴らしい場所」「住みよい場所」を意味し、作家・司馬遼太郎氏が青森市および周辺地域を「北のまほろば」と称したことに由来しています。この歴史館は、学びと体験を通じて青森の文化を未来に伝える拠点として、多くの人々に親しまれています。

館内の特色

展示品の中でも特に注目されるのが、国指定重要有形民俗文化財「津軽海峡及び周辺地域のムダマハギ型漁船コレクション」と、青森県指定有形民俗文化財「青森の刺しこ着」です。これらは常設展示として公開されており、漁業や衣文化の歴史を知るうえで欠かせない資料です。

また、館内の展望台からは青森市街地、陸奥湾、津軽半島、下北半島までが一望でき、四季折々の景観も楽しむことができます。展示とあわせて、美しい風景を堪能できるのも大きな魅力です。

主要展示の紹介

青森の歴史 ~縄文から近代まで~

青森は縄文文化の中心地として知られています。館内では、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一部である三内丸山遺跡や小牧野遺跡からの出土品が展示されており、縄文人の暮らしぶりを感じ取ることができます。さらに、江戸時代から近代に至るまでの青森の歩みも紹介されており、地域史を体系的に学ぶことができます。

ムダマハギ型漁船と漁業文化

「ムダマハギ」とは、船底に刳り抜き材(ムダマ)を用い、舷側板を接ぎ合わせた独特の構造を持つ漁船のことです。青森市周辺の漁師たちはこの構造を生かし、津軽海峡の荒波に挑み続けてきました。館内には67隻の木造漁船が保存・展示され、地域の漁業の歴史と技術を知る貴重な資料となっています。

昔の生活用具と農業

昭和初期の民家が再現され、当時の生活用具や農具が展示されています。囲炉裏や木製の農具など、実際の暮らしを体感できる展示は、子どもから大人まで興味を引く内容です。

近現代の青森 ~明治から昭和~

明治以降の青森を象徴する出来事として、ねぶた祭りの歴史青森大空襲が紹介されています。さらに昭和期の子どもの遊び道具も展示され、世代を超えて懐かしさと発見を感じられる展示になっています。

商いと看板文化

江戸後期から昭和初期にかけて使われた「下げ看板」が展示されており、当時の商業文化を垣間見ることができます。これらは街並みや生活の息づかいを伝える貴重な資料です。

青森市ゆかりの人々

青森市の名誉市民や地域にゆかりのある人物の功績を紹介しています。文化人や市の発展に寄与した人々の姿から、青森の歩みと人々の努力を知ることができます。

道具から機械へ

懐中時計や蓄音機、オルガンなど、生活に身近な道具から近代機械へと移り変わる過程を展示しています。また、市内の商店で使われた広告用手ぬぐいの型紙も並び、商業文化の一端を伝えています。

青森の刺しこ着

「津軽こぎん刺し」「南部菱刺し」「裂織」「つづれ刺し」など、青森独自の技術で作られた刺しこ着は、実用と美の両面を兼ね備えています。青森の厳しい寒さをしのぐために生まれた衣文化が、芸術的な美しさを持つことを知ることができます。

展望室からの景観

展望室からは青森市街、陸奥湾、津軽半島や下北半島を一望でき、四季折々の自然美を楽しめます。また、青森市の合併の歩みや青函連絡船の歴史も紹介されており、文化と景観の両方を体験できます。

屋外展示

歴史館の屋外には、ジャンク船、ヴァイキング船、ヨットなど各国の木造船が展示され、国際的な海洋文化を学ぶことができます。また、日本航空の名機として知られるYS-11も展示されており、海と空、両方の交通史に触れることができる点も大きな特徴です。

まとめ

あおもり北のまほろば歴史館は、青森市を中心とした歴史と文化を幅広く紹介する施設です。縄文から近代に至るまでの歩みを学び、漁業や衣文化の技を実物で体感し、さらに展望台から四季の景色を楽しめるという、学びと観光が融合した拠点となっています。訪れる人々にとって、青森ならではの歴史と文化を深く知ることができる、まさに「北のまほろば」と呼ぶにふさわしい場所です。

Information

名称
あおもり北のまほろば歴史館
(きた れきしかん)

青森市周辺

青森県